アスコルビン酸注射液の着色について。
現在、アスコルビン酸注射液の安定性などについて、HPLCを用いて実験をしております。
その中で、注射液の原液をそのまま試験管にとり、密封したものを室温で保存したものに関して、製品により程度はあるもののそれぞれ黄色に着色していました。
アスコルビン酸濃度としては、あまり変化はなかったので、着色した原因が何なのかを検討しているところです。
この原因に関して、考えられることなど何でもいいので、ご意見ください。
アスコルビン酸(還元型ビタミンC)は、強い還元性を持っており、酸化アスコルビン酸注射液には、空気や光酸化の触媒となる微量の銅イオンや鉄イオンをマスキングするため、EDTA-Naα(キレーター)が微量添加されており、ビタミンCの安定性(酸化分解)が保たれるようになっています。溶解製造過程や保管状況下(日光や温度)で、微量のアスコルビン酸の酸化が起こり、着色(淡黄色)します。従って本来、無色透明であるほど、ビタミンCの酸化度合いが低いことを示します。しかし、かなり強く黄色に着色したサンプルにおいても、還元型アスコルビン酸の残存率は、98%以上(分析結果)を示します。
補足: アスコルビン酸の分解過程については,いくつかの説があり,結論は得られていない
が,次のような経路が妥当と考えられている。
アスコルビン酸→デヒドロアスコルビン酸→ジケトグロン酸一・1-aeシロソン→X→フル
フラール
こうして生じたフルフラールが出発点となって,フルフラールが重合すると福色の樹脂
状化合物を生成したり,アミノ酸と結合して褐色のフルフラール系メラノイド色素を生じ
る。この反応はフルフラールからだけでなく,アスコルビン酸一・フルフラールの変化過程:
あるいはフルフラールを経て生成するいくつかの,いわゆるレダクトン物質とアミノ酸と
の問にも起るだろうといわれている。
http://www.nfri.affrc.go.jp/guidance/kankobutu/kanko_sou41-1/kanko_...f
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